平成24年2月27日(月)に農林水産省の長澤さんが来校されました。小千谷新聞2011年12月24日号に「日本食文化 世界遺産賛同団体に 岩沢まごころ市」という記事が掲載されました。「世界遺産」と岩沢の「まごころ市」とが何故つながっているのか、とても不思議に感じ、農林水産省に尋ねたところ、「日本食文化の世界無形遺産への登録」の担当者の長澤さんから回答をいただいたことをきっかけに今回の出前授業が実現しました。
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越後岩沢駅にお迎えに行きました! | |
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岩沢の積雪量はものすごいですね! | 大雪の岩沢小学校に到着! |
当日は、越後岩沢駅に午前9時7分に到着する長澤さんを3・4年生全員でお迎えに行きました。
その後、「まごころ市」10名の方々が郷土料理を広げながら待つ校長室にご案内し、長澤さんと一緒にいただきました。
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まず、子どもたちがいただきました! | こりゃ、おいしいぞ! |
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「岩沢のごっつお」を食べながら話が弾みました! | |
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並べられた20種類あまりの「岩沢のごっつお」 | 好きな「岩沢のごっつお」を発表する3・4年生 |
長澤さんの出前授業ではユネスコの世界遺産や日本食文化の特徴について学ぶと共に、郷土料理(食文化)を守るために「岩沢まごころ市」が担う役割、最後は、子どもたち一人一人ができることについて考えました。途中途中でまごころ市の方々のお話や体験談などを交えながら、講座を進行しました。
【ワークショップ@:日本の伝統的な食文化である「和食」の4つの特徴を考えよう!】 |
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グループごとで知恵を絞って考えています | |
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各グループから出された考えを4つの観点から整理しました | |
【ワークショップA:我が家のお雑煮について考えよう!】 |
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我が家のお雑煮を考える際に「岩沢まごころ市」の方々から活動に加わっていただきました | |
【ワークショップB:今日わかったこと&日本食を未来に伝えるために私たちにできること】 <ねらい:自分たちの役割を考えることにより、自分たちも食の守り手であることを認識する> |
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今日、分かったことはどんなことですか? | こんにゃく作りの極意を話す岩沢まごころ市の方 |
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話に耳を傾ける参加者 | まごころ市と長澤さんとのQ&A |
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気付いた子どもから書き始めています | まごころ市の取組について話す代表者 |
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出前授業後、3〜5年生は長澤さんへ感想とお礼をお伝えし、固い握手をしました | |
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給食前に3・4年生から長澤さんへ手作りプレゼント! | 長澤さんと3・4年生との楽しい給食交流会 |
**** 農林水産省・長澤さんの出前講座の感想(3・4年生) ****
●あんこが入っている雑煮のことを知り、えっと思いました。全国の餅の形は半分が丸で、半分が四角だと知り面白いと感じました。今の料理を未来につなぐ・未来へ残すということは、若い人に作り方を教えて、その子どもに伝えていくようにしたらよいです。
○2つ目のワークショップで自分の家の雑煮がどんなものなのかを聞かれ、あまり自分の家では食べないので困っていたら、まごころ市の方が、「私の家では7つの具材を使うんだよ。7つは縁起がいいから祭りの時に食べるんだよ」と教えていただきました。雑煮は全国にありますが、気候が違うから雑煮も違うことが分かりました。盛り付けも春夏秋冬らしく日本は綺麗で見た目も大切にすると思いました。「一汁三菜」という言葉も初めて知りました。まごころ市さんの郷土料理も10種類以上もあることも分かりました。この学習を通して日本食を多くの人に伝えたいと思ったので、これからも調べていきたいです。
●和食の4つの特徴がよく分かりました。心に残ったのは、「有形」は形があって、「無形」は形がないということです。「有形」があるということを初めて知りました。「ユネスコ」や「多様性」という意味も分かりました。最後に握手して、お菓子をいただけて嬉しかったです。
○お話を聞いて食べ物のことがとてもよく分かりました。若者たちが、和食をあまり食べなくなってきていて残念です。また、雑煮は昔、神様に捧げていたことも初めて分かりました。日本中のお雑煮の餅は長方形だと思っていましたが、東日本方面が長方形だそうです。ワークショップでは、自分の考えや分かったことなどをたくさん付箋に書けてよかったし、5年生と考えたり、意見交換をしたりするのも楽しかったでした。まごころ市さんが岩沢の郷土料理を作ってくださったおかげで、金平ごぼうやおかきなどの名前を覚えられてよかったです。岩沢の郷土料理のこと調べ、家族にも伝えます。
●ユネスコの話を聞いて、会社みたいなものだと思いました。新潟県内のお雑煮を見せていただき、地域独特のものがあると思いました。岩沢の郷土料理はとてもおいしいので、作り方を知り、自分でも作ってみたいです。和食の4つの特徴のキーワードは「多様性」だそうです。これからも食べ物を大切にしていきたいです。
○国際連合教育科学文化機関のことを略して「ユネスコ」ということを知りました。僕のグループには5年生のKさんがいて、とてもいい意見を話し、頭がいいなあと思いました。長澤さんからとてもいい話が聞けて、一緒に給食を食べることができてよかったでした。
●ユネスコのことやいろいろな地域の食文化を教えていただき、とても勉強になりました。ユネスコでは書き損じ葉書を集め、11枚で世界の国々で学校へ行けない子ども一人が一ヶ月間学校に通えることが分かりました。他にユネスコがどんな活動をしているのか聞きたかったです。世界遺産には「有形」と「無形」があり、賛同団体に登録された「岩沢まごころ市」は郷土食という食べるものだから「無形」だということが分かりました。1時間目に校長室で食べさせていただいた岩沢の郷土食は、自分の家とは違う味がして美味しかったです。いろいろな雑煮の写真を見ましたが、秋田の男鹿雑煮が一番美味しそうでした。でも、新潟の雑煮が一番好きです。和食には4つの特徴があり、それぞれの地域ごと発展していき、それが郷土食になったことが分かりました。
○「まごころ市」さんが校長室に用意してくださった料理では金平ごぼうが一番おいしかったです。長澤さんのお話では、和食の4つの特徴が心に残っています。登録されている日本のユネスコ無形文化遺産は20個くらいなので、今回のまごころ市さんが賛同している「日本食」も登録されたらすごいことです。
●校長室で長澤さんと一緒に「ぜんまいの金平」「ごぼうの金平」「おかき」を食べました。「ぜんまいの金平」が特においしかったです。教室での長澤さんのお話では野菜や魚は濃く味付けをしないで食べると聞きました。「一汁三菜」という難しい言葉も聞きました。日本は味だけでなく、見た目もよく季節ごとの飾りもつけてあって凄いです。他にも郷土食の意味や多様性という言葉なども教わり、料理をしたくなりました。
【農林水産省・長澤さんからのメッセージ】
このたびは、日本食、郷土料理についての出前授業という貴重な機会をいただきましてありがとうございました。児童の皆さんにも一緒に考えてほしかったので、3つのワークショップを盛り込んでみました。少し難しいワークもあるかなと心配していたのですが、私の予想を超えたいい意見がたくさんありましたし、皆さんの意見にこちらが教えてもらうこともたくさんありました。また、岩沢まごころ市の皆さんからは、テーブルに並べきれないほどの「岩沢のごっつぉ」をご用意いただくとともに、授業中も活動にかける思いや岩沢のお雑煮についてのコメントで、私の説明不足を補っていただきました。岩沢まごころ市さんのように地域の方が温かく見守って下さっていて、岩沢小学校のお子さんは本当に恵まれていると思います。
当日の朝、3・4年生の皆さんが越後岩沢駅まで迎えに来てくれたことと、一人ひとりから手づくりのプレゼントをもらったことが、とても嬉しかったです。プレゼントは、職場のデスクに飾ったり、同僚と一緒においしくいただいたりしました。3・4年生の皆さん、日本食や郷土料理について何か気づいたことはありましたか?自然の恵みに感謝する気持ちや日頃食べている岩沢の味を未来に伝えていくのは皆さん一人一人です。何十年後か、自分の子どもや孫に伝えられるように、今のうちにおいしいものをたくさん食べて、年配の方のお話を聞きましょうね。